新型コロナウイルスの「第6波」では学級閉鎖や学年閉鎖が大幅に増え、学びの機会の確保がこれまで以上に難しくなっている。小中学校では1人に1台行き渡ったタブレット端末を活用し、先生が自宅からオンライン授業に取り組むケースも増えている。一方で、ICT(情報通信技術)の環境整備の差も出てきている。
2月上旬、熊本市内の小学校の先生は出勤直後、自身の子どもが熱を出したと連絡を受け、校長の判断で在宅勤務に切り替えた。教材アプリを入れたタブレット端末を持ち帰った先生は、1時間目から教室の児童に授業をした。
タブレット端末の2画面機能を使い、一つの画面に授業内容のプレゼンテーションソフトを示し、もう一つの画面には手書きで記入できる授業支援アプリを使って「板書」するように説明を書いていく。校長は「日頃から使い慣れているので、安心して授業を任せられた」と話す。
熊本市はICTの積極活用で知られるが、一斉休校中の2020年4~5月は「在宅授業」は限定的だったという。タブレットの配布が3人に1台だったことが影響している。低・中学年分を高学年にまわしたり、各学年ごとに使用期間を決めて交互に使ったりし、短時間のオンライン授業や授業を収録した動画の配信などで補ったという。
熊本市ではその後、21年2月に「1人1台」を実現。先生たちもタブレット端末を使った授業に慣れたことも重なり、「自宅からオンライン授業をしているという報告が以前よりも多くなった」(市教育センター)という。
福岡市でも、昨年4月には「在宅授業」も可能とする通知を出していたが、事例の報告は過去にはあまりなく、今回は「これまでになく多い」(永田朗・教育ICT推進課長)という。
背景には、感染拡大に伴って…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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