新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都の小池百合子知事は30日、臨時の記者会見を開き、「年末年始のここで感染を抑えなければ、緊急事態宣言の発出を国に要請せざるを得なくなる」と危機感を示した。「徹底して人の流れを抑えていかなければならない。都民一人ひとりの行動が感染動向を左右する」と述べ、不要不急の外出自粛や帰省の取りやめなどの徹底を強く求めた。
30日の都内での感染者は過去2番目に多い944人が確認され、週平均での1日あたりの感染者数は29日時点で787人と過去最多を更新した。
こうした感染状況を踏まえ、小池知事は30日の会見で「いつ感染爆発が起きてもおかしくない、さらに誰が感染してもおかしくない。この年末年始は、感染拡大を食い止められるか否かの分水嶺(ぶんすいれい)」と訴えた。
都民に求める取り組みとして、「いつものお祝いごと、楽しみ、年末年始はたくさんあるが、今回は諦めてください」と強調。子どもたちを呼んだホームパーティーや親族らが集まっての飲み会を避けるよう求め、「正月のおせちを召し上がる際もいつもの家族にしていただきたい。高齢者や持病のある方と一緒に暮らす家庭では、うちでもマスク着用をお願いする」と呼びかけた。
また、英国や南アフリカで確認され、感染力がより強いとされる変異ウイルスについて、「未知の課題で、最大級の警戒と備えをする必要がある」との見解を示した。都内での発生状況を把握するため、東京感染症対策センター内に検討チームを立ち上げ、ウイルスの遺伝子解析などを進めていることも明らかにした。(荻原千明、岡戸佑樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル