高島曜介 笹山大志 編集委員・伊藤嘉孝
国土交通省OBの人事介入問題の関連で発覚した「線引き」と呼ばれる非公表の人事資料は、何の目的で現役職員からOBに提供されていたのか。野党議員は国会で「天下りあっせん資料だ」と指摘。国交省側は再就職目的ではないとするが、資料の詳細や提供の経緯、具体的な送信先など多くの点が明らかになっていない。(高島曜介、笹山大志、編集委員・伊藤嘉孝)
国交省によると、今年4月に「線引き」が一斉送信されたメールの送信先は1058件あり、173件が省外のアドレスでうち25件が省OBだった。この1年で同様のメールは25回送信されていた。
人事そのものは公表されるが、線引きは、職員の氏名や入省年次、内示段階の異動先に加え、前任者と後任者を線でつなぎ人事の流れがわかるようになっており、一般には公表されない。
国家公務員法は、再就職を目的として、現役職員が企業側に職員やOBの氏名、職歴を提供することを禁じている。線引きを省の利害関係企業に再就職したOBらに共有することは、この「天下りあっせん規制」の趣旨に反するのではないか――。国会では野党が、線引きを「天下りあっせん支援資料だ」として追及した。
斉藤鉄夫国交相は、若手の「ボランティア」が業務の円滑化のためにつくっていたとし、「再就職に必要な生年月日、学歴、職歴の情報が記載されていない」と答弁。国交省側は「職員を中心に慣習的に広く共有されてきた。上司からの指示もなく、あっせんを目的としていない」と説明している。
一方、野党議員らは「天下り…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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