伊藤隆太郎、古城博隆
大雨の前にダムの水を抜いて空き容量を増やす「事前放流」が定着してきた。ここ3年で、全国のダム管理者と、水道や農業、発電などの目的で水利権を持つ関係者らが協力する体制が整い、今年の出水期でも実践が積み重ねられた。一方で、予測精度の向上など課題もある。(伊藤隆太郎、古城博隆)
「事前放流の準備に入ります」
鹿児島県さつま町にある国土交通省の鶴田ダム管理所。広松洋一所長(58)がそう宣言したのは、9月16日午前9時。「最強クラス」とされた台風14号が同県に上陸する58時間前のことだ。気象庁が予測する最大雨量は12時間で318ミリ。事前放流基準の216ミリを大きく上回っていた。
ただ、この時点では、大型ゲ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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