「育児放棄のリスク、見直し機会あった」 2歳児熱中症死で対応検証

 大阪府富田林市の団地で昨年6月、小野優陽(ゆうは)ちゃん(当時2)が熱中症で死亡した事件で、行政の対応を検証する府の有識者部会が20日、報告書を公表した。養育を担った祖母(46)が負担の大きさを市に伝えた際など、ネグレクト育児放棄)のリスクを再検討する機会が何度かあったと指摘。状況を総合的に評価していれば、対応を変えられたと結論づけた。

 府児童相談所などによると、優陽ちゃんは生後間もなく、保護者による監護は不適当とする「要保護児童」に認定。2020年1月、目の前で父(21)が母(20)に暴力を振るう「心理的虐待」が確認され、祖母に引き取られた。

 同年6月、入浴中に祖母が目を離した際に溺れ、一時心肺停止状態になり、児相はネグレクトとみてリスクを「最重度」と評価。保育所に通っていたため、10月にリスク評価を2段階低い「中度」にすると決め、市に対応を引き継いだ。

 市には保育所から、11月~翌21年1月に足の水ぶくれなど優陽ちゃんのけがを計4回確認したことや、欠席が目立つことも伝えられた。優陽ちゃんは21年6月に保育所を退所したが、入浴中に溺れるような重大な出来事は起こっていないなどとして、12月に対応を緩める「要支援児童」へ引き下げた。その判断のまま優陽ちゃんは死亡した。市は対応を引き継いだ後の約1年8カ月、家庭訪問をせず、保育所などの関係機関が参加して支援方針を話し合う会議も開いていなかった。

 報告書は、優陽ちゃんの身長…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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