「信号機のない横断歩道前での車両の一時停止率」が全国の都道府県で最低という不名誉な調査結果を持つ栃木県。これを受けて県警と県交通安全協会は、一時停止を訴える内容のスポットCMを作成し、各所で放映を始めた。さらに県警は6月4日を「統一行動日」に設定して取り締まりを強化。一時停止率の向上へ向け力を注いでいる。
4月から放映が始まったのは「脱!止まってくれない栃木県」と題したスポットCM。横断歩道の両側から相手の元に向かおうとする男女が、一時停止をせず通行する車に邪魔され、いつまでも会えずに互いの名前を叫ぶというインパクトのある内容になっている。
信号機のない横断歩道の前では、車両は一時停止をして横断者を優先させるのが原則で、違反すると罰則もある。しかし、昨年、日本自動車連盟(JAF)が実施した調査によると、県内の停止率はわずか0・9%。決して褒められる数字ではない全国平均8・6%にもはるかに及ばない全国ワーストとなった。
この結果を受けて、県警は昨年から取り締まりを強化。各種啓発活動も積極的に行ったものの「停止率向上の実感までには至っていない」とし、今回のCM作成に踏み切った。
CMは同協会のホームページで公開。他にもとちぎテレビで夕方と夜のニュース時のCMとして流されているほか、県内各地域のケーブルテレビ、サッカーJ2栃木SCの試合前の県グリーンスタジアムのビジョンなどでも放映されている。
県警はさらに、6月4日を「統一行動日」に設定し、県内19署の各管内で取り締まりや広報活動を行う。大型掲示板を設置し視覚的に一時停止を訴えるなどし、CMと合わせて一時停止率の向上を図る。
県警交通企画課は「停止率が低いことで注目され、逆にチャンスだとも考えている。さまざまな活動を通じて、今後も一時停止を呼びかけていく」としている。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース