BuzzFeedが主催するオンラインイベント「未来をつくる仕事のこと #就活で聞けないリアル」。今日は、働きかたの異なる4人のゲストと「働くことのやりがいとリアル」について話していきます。【BuzzFeed Japan / 小林明子】
(お断り:3月29日に番組としてライブ配信する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレビ会議で収録した内容を記事化しました)
ーーゲストの4人には、就職活動を経験した人も、していない人もいます。どんなふうに働き始めたのか、それぞれにうかがっていきます。
就職について悩むのはどうして?
りゅうちぇる 高校生のときにTwitterが流行りだしてて、僕は原宿ファッションが好きだったので、自分のコーディネートや自撮りをよくのせていたんですね。
そうしたら、のちに働くことになる原宿の古着屋さんからDMをもらい、「ショップ店員として働きながら読者モデルとして活動してくれないか」とスカウトされました。それで「あ、上京しよ」と思って上京したので、面接もしていないです。
まずショップで働き始めて、読者モデルとして雑誌に出たり、プリクライベントやチェキイベントなどもアパレルの仕事のかたわらでやっていたら、事務所にスカウトされました。
ぺこりんと付き合っていたので、ド派手なカップルがいるぞとテレビの関係者に見つけてもらって、最初は思い出づくりだと思ってテレビに出ていました。ずっと続くものだはと思っていなかったので、本当に「デート」みたいな感じで収録に行きました。
迷いや悩みですか? 今でもそうなんですけど、直感で生きてきたので、別に深く考えたりということはなかったですね。この道に進むことに少しでも迷いがあれば進まなかったです。直感で生きているので、きれいな、かっこいいことは言えないんですけど、ふふ。
工藤瑞穂 私は幼少期の最初の記憶が、野口英世の伝記を読んで感動したことと、テレビでキョンキョン(小泉今日子)が歌って踊っているのを見て感動したことなんです。
小さい頃からバレエやピアノを習っていて、中学高校はストリートダンスにはまっていました。大学時代もクラブでダンスショーに出たり、仲間たちと一緒にダンスイベントをしたりするのが好きで、音楽やダンスで自分を表現することや、人前に出ることが好きでした。
それが大学の後半になって、自分がいざ就職をするというときに、ダンスや音楽よりも、憧れていた野口さんのような生き方をするにはどうしたらいいかと考えるようになったんです。
野口さんの、病気で苦しむ人のために人生を投げうって治療法を探していく生き方に感銘を受けていたものの、弱い立場にある人の力になるにはどうすればいいのかがわからなくて、とりあえず公務員なのかな、と就活はしないで公務員試験の勉強をしていました。
そんなとき、たまたま大学の就職課で赤十字の募集要項を見かけたんです。赤十字は世界中のどの国にもあるんですけど、「人間を救うのは、人間だ。」という思想を持っています。もともと創設者でスイス人実業家のアンリ・デュナンが戦時下で抱いた、「敵国の兵士であっても、人間が傷ついたときには救護しなければならない」という思いから生まれた理念です。
どんな立場の人であっても苦しんでいる人を助けられるのは赤十字だ!と思って、他の企業は1社も受けず、赤十字に就職しました。仕事内容はほとんど知らなかったんですけど、「自分は何が得意か」「誰と働くか」というより、どういう理想に向かって働くかというのが、自分にとっては大事だと思っていました。
ところが……。赤十字で国際的な活動ができると思っていたんですが、全然そんなことはなくて。私は献血の部署に配属されて、輸血用の血液の製造という地道な作業を担当しました。
「思ってたのと違う!」という反発が自分の中に芽生え、身の丈もわかってなくて、「なんでこんなことを私がしなければいけないの」「私にはもっとふさわしい場所があるはず」「私が本気を出していないから叱られているだけだ」などと思っていたので、仕事に向かう姿勢はまあできてなくて(苦笑)。
理想と現実のギャップにすねていたのが最初の1、2年だったと思います。人を助ける仕事が、地味で地道なことの積み重ねのバトンによってできているというのを当時は理解できていなかったんですね。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース