「自分の店」あきらめない 2度の旦過市場火災、バーテンダーの1年

 北九州小倉北区の旦過市場一帯が2度の火災にあってから、10日で1年が経った。自分の店を失ったバーテンダーの山内貴史さん(52)は、今は別の繁華街で「雇われ店長」を務める。いったん旦過を離れたが、いつかまた戻りたいと思っている。

 旦過市場に隣接する新旦過エリアで、20年近くバーを営んでいた。山口市出身。大学卒業後、居酒屋やバーなどを経営する企業で働いた後に独立し、自分の店を構えた。

 一帯にはトタン屋根が並び、レトロな雰囲気が気に入った。店名はバー「バラック」。好みの空間にこだわり抜いた酒を置き、常連や周囲の店の店主らとの心地良い時間が続くと思っていた。

 しかし、旦過は昨年、2度の大火に襲われた。

 1度目の22年4月の火災では店の外壁が焼け、消火活動により水損。営業できなくなった。一帯の復興を目指して焼け跡の片付けに乗り出し、仲間たちと期間限定の「旦過復興屋台村」を開催。店の再オープンを目指して奮闘した。看板も用意した。

 そして、店の再開を約1カ月後に控えた8月10日、2度目の火災が起きた。当時、屋台村にいたが、「頭が真っ白になった」。煙のにおいや、舞う灰。そんな記憶しかない。

焼け跡で見つかった愛用のシェーカー

 力が抜け、心の整理がつかな…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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