福岡市の商業施設で女性(21)が刺殺された事件で、殺人などの疑いで逮捕された中学生の少年(15)について、福岡地検は刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を21日に終え、勾留を再開した。事件直後から接見を重ねてきた弁護人が朝日新聞の取材に応じ、少年の心の変化について語った。
福岡市の女性刺殺事件 8月28日夜、福岡市中央区の大型商業施設「MARK(マーク) IS(イズ)」で、市内の事務アルバイトの女性(21)が刃物で刺されて死亡した事件。福岡県警は現場で刃物を持っていたとして、少年(15)を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕し、9月9日には殺人の疑いで再逮捕。福岡地検は少年の刑事責任能力の有無を見極めるため、9月25日から鑑定留置を開始。専門医らが少年の精神状況などを調べた。21日に鑑定留置が終了。勾留が再開する。
弁護人が初めて少年と接見したのは、事件から4日後の9月1日。クーラーの音にかき消されるほどの小さな声で、一方的に早口でしゃべった。弁護人が話す間は目線をそらし、時折髪を触る癖をみせた。
殺人容疑で再逮捕されてから6日後の15日。弁護人は、スティーブン・R・コヴィー著のビジネス本「7つの習慣」を子ども向けに再編集した本を、少年に差し入れた。パン屋で働く青年が常連客の老人から助言を受けて考え方を改め、仕事の優先順位を考えたり、同僚との人間関係を改善したりしながら成長していく話を例に、感情を抑え、自分の意思で主体的に行動することの大切さを説く内容だ。
「少年は周りの人と関係を構築したり、感情を抑えたりする経験が不足していたのではないか」。弁護人はそう考え、この本を選んだという。少年は数日で読みきり、本に出てくる言い回しを時折会話に織り交ぜるようになった。
■鑑定留置が終わりに近…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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