自分は女の子――。4年前の夏、金沢市の自宅で高校2年の我が子から打ち明けられた。
母親(47)は「そうなの」と返した。
その後、子はLINEで思いを寄せた。女性の自覚を持ちながら男性の体でいることの苦痛、生きるつらさ。そして性別適合手術を受けるため「協力してほしい」と求められた。
突然の告白だったが、驚きはなかった。
10年ほど前のことだ。「結婚することになった。いまは男として生きている」。大学時代の友人から電話で告げられ、混乱した。トランスジェンダーの知識はあったが、言いようのない不安が募った。まるで相手が自分の知る存在でなくなってしまうような――。
結婚式場で友人の姿を見て、不安は消えた。「大学時代のまま。本人は本人。性別が変わっただけで、むしろしっくりくる姿になったと思えた」。以来、性的少数者の話題に意識が向くようになった。
「あれがなかったら、頭でわかっても心がついていかなかったと思う」
我が子の告白を受け止め、逆に問いかけた。
「なんでもっと早く言わんかったん? お母ちゃんが反対すると思った?」
返ってきた答えは、「反対す…
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Think Gender
男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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