「自分も心を病んだ」絶えぬ犠牲者悼む花束 大阪ビル放火1カ月

 大阪市北区の雑居ビル内にあるクリニックで25人が犠牲になった放火殺人事件は17日、発生から1カ月となった。ビルの前には犠牲者を悼む花束が絶えない。事件が発生した午前から、現場の前で手を合わせる人々の姿があった。

 事件では、西沢弘太郎院長(49)やクリニックのスタッフ、患者らが犠牲になった。

 午前9時ごろ、現場近くで障害者向けの生活・就労支援の会社を経営する川田祐一さん(49)は、現場のビルに向かって手を合わせた。経営する会社のサービスを利用していた男性が事件に巻き込まれて亡くなったという。「怖い思いをして亡くなられたのでショック。本当に真面目な人だった。ただただ悲しいし、悔しい」。事件から1カ月が経つことについては「言葉が見つからないです」と語った。午前10時ごろ、数珠を手にビルに向かって、手を合わせて黙禱(もくとう)を捧げた大阪市北区の無職の男性(67)は、「自分も心を病んだ経験があり、ここに通われていた人が他人とは思えない。ご冥福をお祈りしたい」と話した。

 現場は繁華街・北新地にある。バーやクラブなど約450の飲食店が加盟する「北新地社交料飲協会」は事件発生3日後に現場で献花した。北新地でバーを営む理事長の東司丘(としおか)興一さん(70)は「亡くなった方々が気の毒です。新地のみんなが納得のいかない悲しい気持ちになっていると思う」と犠牲者を悼んだ。

 近くでバーを経営する女性(46)は「(死亡した容疑者には)なぜこんなことをしたのか語ってほしかった。理由もわからず、1カ月経っても心の整理がつかない」と語った。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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