「自己中心的な単なる殺人」 座間の事件、検察側が主張

 神奈川県座間市のアパートで2017年、男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交殺人などの罪に問われた白石隆浩被告(30)に対する第20回公判が16日、東京地裁立川支部であった。検察側は8、9人目の被害者の審理を総括する中間論告で、争点となっている承諾殺人罪の成立を否定し「極めて自己中心的な単なる殺人だ」と主張した。

 中間論告によると、白石被告は、「一緒に自殺をする」と言って神奈川県の女性(25)と東京都の女性(23)と会ったが、実際はいきなり性的暴行を加えて殺害したという。検察側は、被告と被害者との間に「強姦(ごうかん)を伴う殺害の承諾をうかがわせるものはない。そのような承諾は常識に照らしてあり得ない」と強調した。

 弁護側は中間弁論で、「被害者は被告に死の実現を委ねていた」と指摘し、「検察は承諾がないと証明できていない」と訴えた。

 地裁は、被害者9人を3組に分けて裁判を進め、この日で被害者全員に関する審理を終えた。24日以降は、白石被告の刑事責任能力の有無などの審理や、被害者参加制度による遺族らの意見陳述が行われる。(加藤あず佐)

拡大する東京地裁立川支部が入る庁舎=東京都立川市


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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