「自由な働き方」に紛れ込む「偽装フリーランス」 ある弁護士の確信

 「フリーランス」という働き方が増えてきた。

 会社に雇われるのではなく、個人事業主として仕事を営む。指揮監督や命令を受けず、自らの裁量で自由に働くことができるのが大きなメリットだ。

 政府が2020年に実施した調査では、全国に推計462万人。

 ただ、ひとくちにフリーランスといっても、その働き方は一様ではない。

 取引先との契約、報酬の受け取り方、裁量の幅……。

 そして、その中には本来のフリーランスとはかけ離れた存在も混じり込んでいる。

 第二東京弁護士会の山田康成弁護士(54)はいま、一つの確信を抱いている。

 「フリーランスとして扱われているのに自由がない。そんな働き方をする人たちが、どんどん増えている」

 厚生労働省がフリーランスを対象にした相談窓口をつくることになり、その運営事業者を公募していると知ったのは、2020年8月のことだ。

 それまでも所属する弁護士会の委員会で、フリーランス向けの1日だけの電話相談会に取り組んでいた。2度実施して、寄せられた相談はいずれも十数件。相談会を十分に周知できていなかった。

 ただ、限られた事例からだけでも、問題の根深さは感じていた。

働き方は「社員」と同じなのに、フリーランスとして扱われ、労働基準法などで守ってもらえない。そんな「偽装フリーランス」と呼ばれる存在が、新たな社会問題になりつつあります。働く現場で何が起きているのでしょうか。実態を追う連載を始めます。

どれだけ働いても、残業代ゼロ 有休もなし

 例えば、配送業界からは、こ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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