「芭蕉布づくりは糸次第」平良敏子さん、衰退にあらがうように紡いだ

 「平良敏子の芭蕉布(ばしょうふ)」という作品集を開く。その扉にあるちょっぴり武骨な直筆は私の名前。ちょうど10年前、沖縄復帰40年の取材で本島の北部、大宜味村喜如嘉(きじょか)を訪れたとき、笑いながら書いてくれた。その筆跡は彼女の人生のように、厳しくも優しい。

 「芭蕉布づくりは糸次第」。南国やんばるの深く濃い緑のなか、小柄な体が自在に糸を操るスピーディーな手仕事に舌を巻いた。

 90歳を過ぎても朝は複数の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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