教師の働き方改革の「本丸」と言われる部活動をめぐり、中高の教員計4人が語るオンラインのイベントが5月、開かれた。現場の教員が語った本音とは――。(編集委員・氏岡真弓)
黒い画面に「中学校・篠田」と白い文字が浮かぶ。中学教員の篠田先生(仮名)が語り始めた。カメラはオフで声は加工されている。「20代から運動部の顧問でしたが、連休(は十分休める)という感覚は全くなかった」「5連休あるから2日や3日は練習できるよね、というのが運動部の了解です」
「若者は使い捨て。やったことのない部活顧問を押しつけられる」
このオンラインイベントを開いた名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)が言葉をはさんだ。「休みだから休むのではなく、休みだから練習するんですね」
同じく中学教員の井上先生(仮名)は、コロナ禍のもとでも試合のある競技とない競技があることにふれた。「試合の有無を決めるのは中体連(中学校体育連盟)の競技ごとの組織、つまり教員の集まりです。ずっと指導に当たってきた先生で、部活をやりたくない先生とは違う集まりです」
研究者として参加した千葉工業大学の福嶋尚子准教授(教育行政学)が、事前に寄せられた中学の20代男性教員の言葉を読み上げた。
〈若者は使い捨ての駒のように、やったことのない部活顧問を押しつけられている。断ったら後ろ指をさされ、かわりに任された同僚が苦しむ。こんなの体が持ちません。顧問は断れるはずなのに、選択の余地はありません。部活をしたくて教員になったわけではありません。授業をしたくてなりました〉
「学校は何で変わらないのか」 問いかけに教師は……
「ずっと不思議なことがある」と内田准教授。「学校は何で変わらないのか」
篠田先生は答えた。「1ミリ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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