大阪府摂津市のマンションで新村桜利斗(おりと)ちゃん(3)が死亡し、母親の交際相手の無職松原拓海(たくみ)容疑者(23)=羽曳野市=が殺人容疑で逮捕された事件で、松原容疑者による虐待をうかがわせる情報が摂津市に複数回寄せられていたことが、市などへの取材でわかった。市は「対応は適切だった」としている。
大阪府警は24日、松原容疑者を大阪地検に送検した。8月31日、桜利斗ちゃんに高温の湯をかけ、殺害した疑いがもたれている。桜利斗ちゃんは全身にやけどを負い、熱傷性ショックで死亡した。
摂津市によると、桜利斗ちゃんと母親は2018年10月に転入してきた。以前住んでいた自治体から母親の生活状況などを踏まえ、「見守りが必要な世帯」との引き継ぎがあった。
母親は今年5月、「彼氏が子どもに手を上げて、あざが出来てしまった」と市に相談した。市は5日後、保育所を通じて桜利斗ちゃんの顔にあざがあるのを確認した。市の担当者が翌日、松原容疑者や母親と面会し「手を出さないでください」と伝えたという。
6月には母親の知人らが「虐待がある。このままでは桜利斗ちゃんが死んでしまう」と市役所に連絡した。市はその後少なくとも6回、母親と面会したが、松原容疑者との面会はしなかった。松原容疑者を「同居人」と認識していなかったためという。市の担当者は「暴行の有無は確認できなかった」と話す。
市は情報提供についてはその都度、府の児童相談所に伝えていたという。市は「命が救えなかったことはしっかりと受け止めなければいけない」としつつ、「その時その時、適切な対応をしていた」としている。
市に虐待の疑いがあると伝えた知人女性は朝日新聞の取材に「命が危ないと訴えたのに、どうして救ってくれなかったのか」と市の対応を疑問視した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment