虹のような靴下で多様性への理解を広めたい―。北海道函館市の大学生のアイデアが形になり、LGBTなど性的少数者を支援する団体「レインボーはこだてプロジェクト」(RHP)が販売を始めた。寄付金に対する返礼品という形を取っており、売り上げは活動資金に。団体事務局の北海道教育大函館校2年遠藤遥奈さん(21)は「多くの人にはいてもらい、レインボーの意味を知るきっかけにしてほしい」と願う。(共同通信=石嶋大裕)
靴下に使われている色は8種類だ。LGBTのパレードなどで使われる旗にちなんでピンク、赤、オレンジ、黄、緑、ターコイズブルー、藍、紫。藍は「調和」、紫は「精神」とそれぞれに意味がある。函館を英語で書くと「HAKODATE」で、8文字あることも8色を選んだ理由だという。
RHPは2018年10月、LGBTをテーマにした函館校の授業の受講生らが中心となって始まり、約30人で活動している。「目標として、何か残せるものを作ろう」。19年1月、アイデアを出し合って決まったのが靴下だった。
発案者の3年田中美怜(みさと)さん(21)は「LGBTは、気付かないだけでそばにいる。みんなに気付かれないぐらい身近にある靴下に思いを重ねた」と話す。
完成への道のりはそんなに平たんではなかった。靴下を作るメーカー数社と交渉を重ねたが、発注数の折り合いが付かなかったり、「オーダーメードはできない」と断られたり…。19年3月にようやく大阪府枚方市の会社が引き受けてくれ、4月末に完成。色合いは、手に取ってもらいやすいよう、日本文化になじみのある淡い色にする工夫を凝らした。サイズは22~24センチ用と25~27センチ用の二つ。イベントなどで、1足千円で販売すると、約8カ月の間に300足近くが売れた。
靴下のキャッチフレーズは、坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」になぞらえ「虹をはいて歩こう」にした。田中さんは「はくことでそれぞれのセクシュアリティーに誇りを持ってほしい」と話している。
問い合わせはメールrainbow.hakodate@gmail.comへ。
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