その女性は2日続けて銀行を訪れ、融資を求めた。行員が理由を尋ねても、女性は話さない。初日は行員に促されて帰ったが、翌日もまたやってきた。「これは詐欺だ」。ピンときた行員らの説得で女性は詳細を語り出し、被害を未然に食い止めることができた。
女性の詐欺被害を防いだのは、南都銀行(奈良市)行員の松島温(あつし)さん(40)と楠田幹喜(かんき)さん(23)。
奈良県警奈良署や2人によると、今年3月9日、40代女性が同行南支店(奈良市)の窓口を訪れた。60万円ほどの融資を希望していた。融資担当の楠田さんが応対した。ところが困ったことに、お金が必要な理由をなかなか明かしてくれない。家族にも内緒だという。
「詐欺かもしれない」。頭によぎった楠田さんは、女性に考え直すよう促した。女性は「頭を冷やします」と銀行を後にした。
丸く収まったかのように見え…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル