「行けたら行く」の本音は? 記者が選ぶ関西遺産傑作選

「まだまだ勝手に関西遺産」総集編

260編から記者が投票

 関西ならではの文物や名所、言葉などを遺産と認定してきた「まだまだ勝手に関西遺産」。2015年以降、「おもろうてなんぼ」の精神で認定したのは260編です。総集編の最後は、日々遺産探しに奔走する記者たちが投票し、傑作10選を“勝手に”決めました。

9位タイ

ラブホテル 富貴(2017年3月22日掲載)

拡大する昭和レトロな部屋で、赤い格子戸が印象的な「中華」。コスプレ撮影や女子会にも使われる=大阪市都島区、伊藤菜々子撮影

 大阪・京橋のラブホテル「富貴(ふき)」は1977年開業。15室はビジネスホテル仕様だが、残り8室は昭和レトロな、趣向を凝らした部屋で、御殿など映画の撮影セットのような雰囲気。コスプレ撮影や女子会に使われ、外国人客にも人気だ。

9位タイ

靱公園のブロンズ像(2020年3月12日掲載)

拡大する(左)「変わってきた時代」 (右)(上)「始めての自転車」 (右)(下)「姉」 いずれも靱公園にあるブロンズ像=2020年2月27日午前、大阪市西区、白井伸洋撮影

 大阪市西区の靱(うつぼ)公園に、米国の彫刻家による等身大ブロンズ像がある。男の子が乗ったベビーカーを押す夫婦、妹の靴ひもを結ぶ姉、自転車の練習をする少女と父親の3点。いずれも服が彩色され、驚くほどリアル。

8位

やん(2017年4月5日掲載)

拡大する春に羽ばたくもずやん(左)とそらやん。めっちゃ飛べるやん!=大阪市中央区、伊藤菜々子撮影

 しのやん、いそやん……。名前の一部に付く「やん」は、事典によると「サン」がなまったもので、親しい仲間に用いるとか。大阪府の広報担当副知事は「もずやん」、大阪国際空港など関西3空港のキャラクターは「そらやん」。ほら、大阪っぽいやん。

7位

「鈴木姓」発祥の地(2019年3月20日掲載)

拡大する鈴木さんや支援者が「鈴
木屋敷」前に大集合。記者の鈴木(右端)も混ぜていただき「復元にむけて、がんばるぞ!オー!」=和歌山県海南市、滝沢美穂子撮影

 和歌山県海南市の藤白(ふじしろ)神社の境内にある鈴木屋敷。鈴木姓のルーツとされる。この地の熊野三山にあった豊作を祈る儀式が鈴木の語源に関係し、鈴木家一門が形成され全国に散らばったという。本家の鈴木屋敷は老朽化しているが、復元運動が展開されている。

6位

ひち(七)(2016年8月17日掲載)

拡大するてんひち商店街の看板=大阪市北区、伊藤菜々子撮影

 九九の「7×1=7」は「ひちいちがひち」――。七を「しち」と読まず、「ひち」と読むのが関西流の発音文化なのだという。大阪市北区の天神橋七丁目商店街には「ほなっ! てんひち」とかかれた大きな看板がある。

後半は、上位5作の発表です。トップ3には、記者によるイチオシのコメントも。イラストを担当するグレゴリ青山さんは、総集編がしばらく続いて焦った思いをマンガで明かします。

5位

鶴橋駅のにおい(2015年6月17日掲載)

拡大する鶴橋駅前で焼き肉のにおいを採取するポーズや、ご飯を食べるポーズをとってもらった=伊藤菜々子撮影

 焼き肉店があたりにひしめく鶴橋駅。電車のドアが開くと、乗客とともに車内に潜り込んでくる焼き肉とキムチの香り。食事時にさしかかる午前11時からと午後6時からにおいが強くなる。環境省の「かおり風景100選」にも選ばれる。

■4位…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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