「行旅死亡人」の遺品持ち帰りか 東京・新宿区職員 警視庁が捜査(産経新聞)

 東京都新宿区生活福祉課に勤務する40代の男性主事が、住所や氏名が不明で親族などの引き取り手もいない「行旅(こうりょ)死亡人」の遺品や所持金を自宅に持ち帰るなどした疑いがあり、警視庁が捜査を始めたことが26日、分かった。同庁は主事が同様の行為を繰り返したとみて業務上横領容疑などを視野に裏付けを進める。

 捜査関係者らによると、主事は区内で見つかった行旅死亡人について、火葬までの業者とのやり取りや、警察などが回収した故人の遺品の保管、管理などを担当している。

 区の規則では、遺品に現金や有価証券などがある場合、これらを火葬代に充てると規定。腕時計などは売却して現金化する。不足分は区が一時的に立て替え、都に補填(ほてん)を求める。

 行旅死亡人は官報に身体的な特徴などが掲載されるため、火葬後に親族らが名乗り出てくるケースがあり、その場合は後日、実費を負担してもらうという。

 区の調査に対し、主事は少なくとも平成27~28年の間、数回にわたり、故人の現金やクレジットカードなどの物品を持ち帰ったことを認め、「遺品などが保管されたままだと自分の業務が煩雑になるのでやった」などと説明。区は昨年12月、警視庁に被害を相談した。

 捜査関係者によると、主事が行旅死亡人の親族らに対し、火葬代を自分が賄ったと虚偽の説明をして金銭を不正に得た可能性があるケースも確認され、同庁は裏付けを急ぐ。

 ■行旅死亡人 身元が判明しないか判明しても引き取り手がいない死亡者。独居高齢者や、路上生活者の行き倒れといったケースが多いが災害被害者の場合もあり、東日本大震災でも相当数が認定された。発見場所の自治体が葬祭会社などに火葬を依頼し、官報に遺体の特徴、発見状況、所持品などを記載する。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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