福岡県が人権啓発のために九州朝日放送(KBC)に委託しているラジオ番組をめぐり、県がアーカイブ化する際に内容の一部を削除するよう出演者に要請した問題で、県弁護士会は14日、「今後の放送に萎縮効果を与える点で表現の自由を侵害する」として、県に同種の行為を繰り返さないよう勧告した。
勧告書などによると、問題となったのは、ラジオ番組「中西和久ひと日記」で、外国人の人権を扱った2019年8月20日の放送。水巻町内にある第2次世界大戦でのオランダ人捕虜に関する記念碑「十字架の塔」を取り上げた。
その中で、パーソナリティーを務める中西氏が、記録作家・林えいだい氏の著書の一部を引用し、「産炭地筑豊には朝鮮人、中国人、戦争捕虜など強制連行された人々が送り込まれ、大炭鉱で働かされた。(中略)日本人坑夫がまず安全な場所を選び、強制労働の彼らには過酷な現場が待っていた」と読み上げた。
放送後、「戦時捕虜のオランダ人と、朝鮮人を一緒にするのはおかしな話だ。徴用工問題が政治問題化しているなかで県の税金で政府の見解に反するような放送を行うのはいかがか」という内容の投書が、県に1通だけ届いたという。
これを受け、県人権・同和対…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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