「被害者より先には…」放火容疑者の治療 医師の選択は

 京都アニメーションの第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、全身に大やけどを負った青葉真司容疑者(42)を約4カ月にわたり治療した熱傷医療の専門チームがあった。話せるようになった容疑者は今年5月に逮捕され、刑事処分を待つ。担当医の一人が今月、朝日新聞の取材に匿名で応じた。

 「犠牲者や遺族のためにも、刑事裁判を受けられるまで回復させ、事実を明らかにしたい」と考えていた京都府警に対し、医師は「正直、助からないと思った」と振り返る。青葉容疑者のやけどは全身の93%に及び、大部分は皮下組織にまで達していた。府警には「応えられないかもしれない」と伝えたという。

 青葉容疑者は昨年7月18日、第1スタジオに侵入してガソリンをまいたとされる。自身の体にも引火し、建物外に逃げたが、近くの路上で取り押さえられた。搬送後は重篤な状態に陥り、2日後、ドクターヘリで京都市内の病院から大阪府内の病院に移った。

 皮膚には外的刺激から体を守り、保湿する「バリアー機能」がある。やけど治療では、その機能を失った患部に細菌が感染するのを防ぐ必要がある。広範囲のやけどでは、凍結保存などをした他人の皮膚を移植する。

 だが、今回の事件では、多くの…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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