被爆体験の聞き取りを続ける市民団体「長崎の証言の会」が発足50年を迎える。活動を振り返る記念誌の発行を目指して寄付を募っており、「聞き取りを通じて反戦、反核を訴える活動を続けていきたい」と支援を呼び掛けている。
同会は1969年、「被爆者の健康状態は一般国民と変わりはない」とした国の被爆者健康調査に対する反発から、証言を通じて被爆の実相を明らかにするために発足。同年8月9日に創刊した「長崎の証言」では、被爆者の体験に加え、当時の生活の実態を書き記した。これまで75冊を発行し、千人以上から聞き取りを行った。
記念誌は11月ごろに500部作る予定。草創期を知る関係者が活動の原点となった「思い」を語ったインタビューや、過去の証言などをあらためて掲載する。12月には記念の集いを計画し、会の中心を担った故・鎌田定夫さんが残した資料の保存、分析も進める。
運営は定期購読者の年会費(5千円)でまかなってきたが、最盛期の千人超から現在は約180人にまで減少。毎年秋の証言集発行も厳しくなっていることから寄付募集を決めた。森口貢事務局長(82)は「被爆者の数が減っている今だからこそ、話したい、と手を挙げる人も増えている」と、会の存在意義を語る。
寄付は郵便振替などで受け付けており1口3千円。1口につき、記念誌を1部贈呈する。同会=095(848)6879。
西日本新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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