ゴールデンウィークが本格的に始まった。しかし新型コロナウイルスの影響で、観光地はどこも人影がまばら。感染拡大のおそれから、観光地自らが「来ないで」と訴える異例の大型連休となった。
石垣島、県外便はすべて運休
沖縄本島の南西約400キロに浮かぶ石垣島。沖縄県石垣市は、美しい海が人気の観光地だ。人口4万8千人の島に昨年、過去最多の147万人が訪れた。
それが今は、キャンプ場や土産物屋といった観光施設が軒並み休業している。那覇などと結ぶ県内便は半減、東京など県外とを結ぶ便はすべて運休。滞在中の観光客はほぼ見かけず、経済への打撃は大きい。
「常連客にキャンセルを理解してもらった。うちの店からクラスターが出たら大変。苦しいが、島全体に迷惑かけられない」。ダイビング会社を営む男性(50)は言う。開業して十数年。リーマン・ショックや東日本大震災で客足が落ち込んだことはあったが、今は店を開けることすらできない。「ダイビングはテレワークで成り立つわけもない」
別のダイビング業の30代男性は、「バイトをするにも(島内は)休業ばかり。働く場所がない」と嘆く。今は、店のダイビング機材を手入れすることしかできない。
市商工会のもとには、3月ごろから飲食業や雑貨店など観光客相手の商売をする事業者から融資の問い合わせが増え、現在は約140社から相談を受ける。前川義統事務局長は「売り上げゼロで、どこまで持ちこたえられるか。解雇や廃業なども心配」と話す。
それでも市は「来島自粛」を強く求めている。市内では28日までに4人の感染が確認され、市内の感染症指定医療機関に入院。県によると、石垣市を含む八重山地方で受け入れ可能な病床は残り3床しかない。市の担当者は「自粛は苦渋の決断。(観光客には)コロナが収束してから来ていただきたい」と語る。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル