川嶋かえ
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に対する約6900万円の贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」の元五輪担当室長・馬庭教二被告(63)の公判が10日、東京地裁であった。検察側は、同社の元会長・角川歴彦(つぐひこ)被告(79)=同罪で起訴=の指示の下、「実務担当トップとして不可欠な役割を果たした」として懲役2年を求刑した。
馬庭元室長は被告人質問で、大会スポンサーになるために組織委元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=に資金提供することを「(角川)元会長は了解していた」とし、「私もスポンサー就任に意義を感じていた」と述べた。「今思えば、元会長にやめるように言うべきだった」と振り返りつつ、元会長は「社内で最も力を持っていた」と語った。
検察側は論告で、馬庭元室長の役割について「角川元会長からの指示を具体化し、積極的に高橋元理事への依頼を実行した」と指摘した。「組織委におけるスポンサー決定の手続きをゆがめ、著しく不公正な特別扱いだった」とも批判した。
弁護側は最終弁論で「高橋元理事が不当な支払いを要求しなければ事件は起こらなかった。従業員だった馬庭元室長の責任は限定的だ」として、執行猶予付きの判決を求めた。判決期日は6月15日に指定された。(川嶋かえ)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment