聞き手・笹山大志
霊感商法や高額献金が社会問題化した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐり、政府は解散命令請求を視野に、宗教法人法に基づく「報告徴収・質問権」を行使し、実態解明を進めています。こうした対応について、「解散命令は可能」「政府の対応は憲法違反」と識者の見方は分かれます。2人の憲法学者に聞きました。
飯島滋明・名古屋学院大教授(憲法学)は「政府の対応は不十分」とし、「解散命令は憲法的に可能だ」と指摘します。
――旧統一教会をめぐる政府の対応をどう見ていますか。
岸田政権の対応は極めて不十分です。たとえば、「不当寄付勧誘防止法(被害者救済新法)」は保護の対象が主に「寄付者本人」に限定されています。また、配偶者や親族の生活の維持を困難にする寄付は「禁止」ではなく、「困難にすることがないようにすること」と「配慮義務」にとどまりました。これでは家族の救済にはなりません。
――霊感商法や高額献金を規制することは、憲法が定める政教分離の原則や、憲法が保障する「信教の自由」に反しないのでしょうか。
憲法では「財産権の内容は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル