2020年東京五輪のマラソン・競歩の開催地が東京都から札幌市に移ることになった。東京開催を楽しみにしていた人たちは怒りや落胆の声を上げた。一方、札幌では歓迎ムードが広がる。
「暑さなんて前からわかっていたこと。国際オリンピック委員会(IOC)の言いなりなんて……」。千葉県船橋市の中川迪生(みちお)さん(85)は憤る。1964年東京五輪でマラソンを沿道で観戦。月給の5倍したカメラを手に、大阪から夜行列車で駆けつけた。夢中でシャッターを切り、アベベの走りに見とれた。来年のマラソンでも写真を撮ろうと、9月に都内であった男女マラソン代表選考会も下見。五輪の男子マラソンのチケットを購入し、新国立競技場で選手を迎えるのを楽しみにしていた。「払い戻しをすればいい、という話ではない」
東京・浅草の雷門付近ではこの夏、東京都台東区がアサガオでマラソンコースの景観を良くしようと、つるを巻き付かせる大小八つの竹のオブジェを設置した。依頼を受けた別府竹製品協同組合(大分県別府市)の職人たちが10カ月かけて作ったもので、男女マラソン代表選考会で中継画面に映ると、みんなで喜んだ。岩尾一郎理事長(64)は「海外に発信され、多くの人が目にしてくれると思っていたのに」と残念がる。
選手が計3回通る予定だった「…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル