大阪府が25日、緊急事態宣言を再び延長するよう国に求めることを決めた。宣言下の他の府県も同様の見込みだ。ゴールの先送りが続く状況で、この苦境に終わりは来るのか。何とか打開して前を向こうと、模索する人たちがいる。
協力金やっと支給されたけど…
大阪・キタの路地裏にある「洋食ダイニング フィレール」のオーナーシェフ出口彰さん(33)は、今月から常連客らに案内を出し、家庭に出向いてワインや料理を振る舞う「出張レストラン」を始めた。
ホテルやワインバーで経験を積んで、独立したのが昨年1月。松阪牛のビーフシチューやワインが売りだが、数カ月の「オープン景気」が一段落した後は、ずっとコロナと向き合うことになった。
昨年11月下旬から時短営業を始め、食材を余らせないよう、今年4月からは1日1組の予約に限定している。赤字は月に約30万円。変異株の影響や重症者数を考えれば、宣言再延長には驚かない。だが、アクリル板なども買いそろえてきたのに、通常の営業ができないのがもどかしい。
「政府や自治体の言う通りにやってきたのに、『なんで?』と思ってしまう」。出張レストランでお客の喜ぶ顔を見るのはうれしいが、やっぱり店で迎えたい。「ワクチン接種が一日も早く広まってコロナが収束し、元通りに営業したい。それだけです」
長引く緊急事態宣言で飲食店…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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