「それ詐欺ですよ」。コンビニエンスストアの来店客に送金をとどまるよう説得したが、1週間後に客は再びやってきた。被害を防いだ店員がとった行動とは……。
11日、岐阜県美濃加茂市の加茂署。詐欺被害を未然に防いだとして、市内のローソンに勤める寺沢めぐみさん(56)に感謝状が贈られた。
寺沢さんや加茂署によると、70代男性が店に来たのは、3月20日ごろ。「電子マネーをスマホに取り込んで知人に送りたい」と寺沢さんに尋ねてきた。
事情を聴き、スマホを見せてもらうと、「りのだよー。お昼だねー」という件名のメールに「詳しいことはここをクリック」と書かれていた。男性は「これは会社の後輩。俺には分かる。世話になったからお金を送りたい」と言う。
「それは詐欺ですよ」。寺沢さんは男性を30分かけて説得。男性は帰ったという。
30分ほどの押し問答の末に…
男性が再び来店したのは約1週間後の27日。今度は「届いたメールを止めるのにお金が必要」として、電子マネーのカードを手にレジに来た。
寺沢さんは再び説得しようとしたが、男性は聞き入れない。同僚も加わって30分ほどの押し問答の末、加茂署に連絡。警察官が駆けつけ、被害を防ぐことができたという。
「地域の高齢者がスーパー代わりに立ち寄ってくれる店。被害を防げてよかった」と寺沢さん。
加茂署によると、詐欺被害者は「自分が正しい」と信じ込んでいて、説得できないことも多いという。署は「結果的に詐欺ではなかったとしても問題ないので、詐欺被害かもと思ったら迷わず110番通報してほしい」としている。(寺西哲生)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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