「説教部屋」ツイートで無謀登山に喝 山好きポリスが訴える遭難防止

 静岡県警地域課のツイッターが10月で開設から1年を迎えた。山岳遭難救助隊が撮影した写真や、他県警にはない「攻めた」ツイートが人気を集め、フォロワーは5千人を超える。

 「これからの季節、ヘッドライトと防寒着は絶対必要!!」「注意!キノコ狩り中、道迷い」。たくさんの絵文字を使い、メッセージを書き込んだ写真を添える。発信を担当するのは、アカウントの創設者でもある県警地域課の嶋田浩之さん(46)だ。

 自身も山登りが趣味。「安全に山を楽しんでもらいたい」と緊急事態宣言が解除された昨年10月にツイッターを開設した。仕事の合間に1時間ほどかけて文章を練り、画像を加工する。少しでも拡散させようと、「おもしろ路線」の投稿を次々と繰り出す。

目標はフォロワー1万人

 中でも人気は「山岳遭難救助隊長の説教部屋」。隊長の写真を使って、山での注意を呼びかける。普段は穏やかな隊長の熱い表情を切り取るため、何十回も撮影した。反射鏡を使って遭難信号を送る様子を撮影した動画も人気で、いいね数が1万件を超えた。投稿を見た人からの「自分も気をつけようと思った」「共感した」という声がやりがいだ。

 現在力を入れて広報しているのは、道迷い防止のためのGPSの活用だ。「ヤマレコ」や「ヤマップ」といったアプリが代表的で、現在位置を正確に把握できるほか、登山道から外れると警告音が鳴る。落ち葉で登山道がわかりづらくなるこの時期は特に重要だ。

 ツイッターでは、手作り人形の「SONANちゃん」を使ってアプリの効果を検証する内容を発信した。山中に放置された人形を、山岳遭難救助隊がアプリの位置情報を使って発見する様子をリポートした。

 「秋は登山に適した気候だが、遭難も発生していることを知ってほしい」と嶋田さん。「おもしろ路線」でも、命に関わる大切なことを伝えたい。より多くの人に注意を促すため、目指すはフォロワー数1万人。山の安全を守るため、2年目もツイートを続ける。(魚住あかり)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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