セクシュアリティーに関する悩み相談が増えている。性的少数者らの交流イベントを運営するNPO法人「L-Port」(札幌市)に1~11月に寄せられた相談は443件にのぼり、4年前の200件余りと比べて倍増。このうち、7割弱が20代以下からの相談だった。
悩み相談は「にじいろtalk-talk」と題して、月2回のペースで各回3時間、SNSのLINEで受け付けている。「相談先のニーズはまだまだ高い」と担当の真野友華さんは分析する。
相談後に利用者を対象としたアンケートも行っており、18年11月の開設以降に708件の回答があった。性自認など、セクシュアリティーに関する相談を誰にするかという質問に対し、「友達」(261件)、「相談機関」(226件)に次ぎ、「相談しない」(205件)という回答が3番目に多かったという。
「学校の先生」は93件、「親」は94件にとどまった。同法人の中谷衣里さん(32)は「中高生の相談を受けていると、『学校で、誰が自分の話を否定せずに聞いてくれるのか見当がつかない』といった、頼っても大丈夫な大人が可視化されていないことによる悩みが多く聞かれる」と話す。
交流イベント「にじいろ談話室」は、性的少数者とその周囲の人を対象に、月1回、平日に夕方と夜の二部制で開室されている。当事者以外は隔月で参加できる。
22年4月から23年11月までに39回開催し、10~50代の延べ224人が参加した。「平日開催かつ夜もやっているので、土日休みではない仕事をしていても参加しやすい」といった感想が寄せられたという。
今年12月から、同様のイベントを旭川市でも開催しており、今後も2カ月に1回の頻度で行う予定だ。対象は25歳以下の、性的少数者や自分もそうかもしれないと思っている人々。中谷さんは「旭川での開催を皮切りに、コミュニティーが少ない地方で当事者の居場所を広げていきたい」と話した。(石垣明真)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル