岐阜県瑞浪市の土岐川で、絶滅した海生哺乳類「パレオパラドキシア」の骨とみられる化石が見つかった。市化石博物館が10日、頭部を含む全身の8割以上の骨格を発掘した。ほぼ完全な形で発掘されたのは国内でも珍しいという。
化石は5日、住民が同市釜戸町の河川敷を清掃中に見つけた。腰骨や肋骨(ろっこつ)など体の後ろ側の長さ約1・8メートルの部分が露出し、背骨はつながっていた。頭部なども埋もれているとみた博物館が10日、大型ドリルなどで掘り出した。全長2~2・5メートルと推定される。
「謎めいた古生物」という意味のパレオパラドキシアは、2800万~1100万年前に生息していた。ジュゴンに似た生態だったと考えられているが、食性などは詳しくわかっていない。
骨の5割以上が見つかると全身骨格と呼ばれ、埼玉県や福島県など国内でこれまで6体が見つかっているが、8割以上の完全な骨格は例がないという。発掘に立ち会った国立科学博物館の甲能(こうの)直樹博士(哺乳類古生物学)は「肉食か草食かなど様々な論争があるが、解明に役立ってくれるだろう」と期待する。
博物館の安藤佑介学芸員(3…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル