2013年に閉館した大阪市住之江区の海洋博物館「なにわの海の時空館」の跡地について、大阪市は24日、今後建物を利活用する民間事業者が決まったと発表した。今年度中に正式に契約を交わす予定だ。
時空館は「大阪の海の交流史」をテーマに、市が2000年に176億円をかけて開館した。ただ入館者は年間10万人と低迷し、毎年約2億~3億円の赤字が続いたため、当時の橋下徹市長が「負の遺産」と位置づけ、閉館を決めた。
事業者に決まったのは観光コンサルタント会社「シンフォニックスリール」(本社・大阪市中央区)。時空館を5600万円で買い取り、1万平方メートル近い土地を月約198万円で市から借りる。目玉だったガラス張りのドーム棟(直径70メートル、高さ35メートル)、中に置かれた江戸時代の和船「菱垣廻船(ひがきかいせん)」(全長約30メートル、高さ約27メートル)をそのまま活用し、体験型の博物館を整備する予定という。
市はこれまで事業者を2回公募したが、菱垣廻船を運び出すことの難しさやコロナ禍が理由で成立しなかった。昨年度までの10年間で光熱水費として約7094万円の市の負担が生じており、今年9月に3回目の公募を実施していた。(原田達矢)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル