ノンフィクション作家の柳田邦男さん(87)は毎年、1985年に日航機が墜落した御巣鷹の尾根に登り続けている。「現場に来ることは自分の習慣になっている。8月12日の慰霊登山も体に染みついている」。妻で絵本作家のいせひでこさん(74)も、この事故の遺族についての絵本を作っている。夫婦で事故を見つめてきた2人はこの日、杖を片手に1歩1歩登った。
NHK記者時代から命や安全をテーマに取材を続けてきた柳田さん。JALの安全について考える社外機関で座長を務めるなど、この事故とは深く長くつながってきた。
東京都在住だが、9日には広島市で講演し、11日に上野村へ入った。12日、登山道では進むたびに「柳田先生、こんにちは」と遺族に声をかけられた。「送ってくれた新タマネギおいしかったよ。ありがとう」と返事する。カメラで遺族の写真を撮ったり、連絡先を知らない人にはノートに名前や電話番号を書き残したりしてもらう。
「人間にも自然にも命の営み」
「平和、安全、そして安心を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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