「負担最小化、華美にせず」 簡素な東京五輪へ原則決定

 新型コロナウイルスの感染拡大で来夏に延期された東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は10日、「延期に伴う費用と負担を最小化し、国民・都民から理解を得るべく、競技と選手に重点を置きつつ、効率化、合理化を進め、簡素な大会とする」との大会原則を定めた。実施33競技や約1万人の参加選手については「基本を維持しつつ、新たな状況にも即した対応を行う」としている。

 IOCはこの日オンラインで理事会を開き、東京大会への対応を協議した。IOCと組織委は大会を「選手や観客、ボランティアらに安全・安心な環境を提供することを最優先課題とする」「世界に復活・復興の証しを示す」「未来への持続可能な出発点」などと位置づけた。コスト削減とコロナ対策のため華美なものにはせず、大会役員などの参加者や関連イベントの削減などを行うとした。

 大会関係者によると、両者は「開閉会式の演出変更や参列選手の絞り込み」「聖火リレーの規模縮小」「選手村でのサービス水準の見直し」など、250項目ほどの見直しや点検項目を洗い出しており、8月までに大枠の合意をめざす。

 組織委はIOC理事会に対し、7月までに会場と日程を確定し、9月から12月にかけて新型コロナ対策の具体案を考えるなどの工程表も示した。武藤敏郎事務総長は会場について「かなりの施設で使える見込みがつきつつある」と話した。

 安倍晋三首相はこれまで「完全な形」での開催をめざすとしてきた。森喜朗会長はこの点について、この日の記者会見で、「(西側諸国がボイコットした)モスクワ五輪のような変則的なものではないようにしたい。できるだけ多くの国が参加できるのが、完全な形と言えるのではないか」との考えを示した。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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