「貧乏村の金目当て」なのか 「核のごみ」に住民苦悩

 国の「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場を巡り、北海道で日本海に面した小さな自治体が揺れている。寿都町と神恵内村。同じ後志(しりべし)地域で、8~9月に相次いで国の処分場選定への応募検討が明らかになったこの2町村は、近く応募について判断する方針だ。寿都町の片岡春雄町長は、産業団体や町議会への説明後の10月8日に応募について判断したいとしている。応募検討を求める請願が出されている神恵内村では、2日の村議会の委員会で請願が採択される可能性がある。

拡大する約130人の住民が出席した神恵内村の住民説明会。子ども連れの家族もいた=北海道神恵内村

 神恵内村では、村商工会が応募検討を求める請願を9月8日に村議会に出した。村議会は継続審査としたうえで国と原子力発電環境整備機構(NUMO)に住民説明会の開催を要請。説明会は26~30日の計5回、村内各地で行われ、村人口の約3割にあたる延べ約270人が参加した。

 村議会は10月2日の総務経済委員会で改めて請願について議論する。議会関係者によると、同日に採択される可能性があるという。高橋昌幸村長は議会の決定を追認する意向を示しており、応募の可能性が高まる。

「これで決まったら終わりだ」

 北海道電力泊原発がある泊村の北隣に位置し、原発立地地域として交付金を受け取ってきた同村では、応募を容認する声が多いようにみえる。しかし複雑な胸中を明かす住民もいる。

 ある男性(80)は説明会で、勇気をふりしぼって発言した。「これで決まったら終わりだ。あまりにも話が早すぎてついていけない」

 村商工会の請願は9月11日の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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