かつての炭鉱操業時の熱気を伝える赤、黄、緑に彩られた肉太の文字の数々。坑内の看板やポスターなどの文字から現場の雰囲気を再現した企画展「炭鉱の文字」が、北海道赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設で開かれている。
【動画】かつての炭鉱操業時の熱気を伝える文字の数々=戸田拓撮影
同施設は、「東洋一」とうたわれた旧住友赤平炭鉱立坑櫓(たてこうやぐら)に隣接する。今回は赤平市の収蔵品から選ばれた約80点を展示。1963年に完成した立坑櫓の工事許可看板に始まり、「立入(たちいり)禁止」の表示や「足元確認ヨシ!」など危険予知標語が書かれた掲示板、マンガ入り保安教本の抜粋展示、操業末期に「ヤマの灯を消すな」と訴えた看板など、炭鉱の日々をほうふつさせる様々な文字がぎっしり並ぶ。
展示はNPO法人「炭鉱(ヤマ)の記憶推進事業団」が主催する。事務局員でデザイナーの大倉加奈さん(32)は、炭鉱好きが高じて札幌から赤平に移り住んだといい、日本遺産に認定された道の「炭鉄港」キャンペーンロゴマークなども手がけている。「手書きの文字デザインは、どれも魅力的。『大切な部品とみなせ潤滑油』『炭塵(たんじん)注意』など、日常生活では使われない言葉の臨場感、迫力にぐっと来ます」。入場無料。24日まで。
同事業団は、3月に開く写真展「立坑百景」に向け、立坑櫓(たてこうやぐら)のオリジナル写真を募集している。問い合わせはメールで大倉さん(okura@soratan.com)まで。(戸田拓)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル