「距離を保つのが難しい」視覚障害者コロナ禍の苦悩(テレビ朝日系(ANN))

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新型コロナウイルスの感染流行が続くなか、困難な状況に直面している人たちがいます。東京都内に住む太田佐千枝さん(57)は視覚に障害があり、1メートル先は見えません。人との距離を保つことができないため大変だといいます。また、買い物の際のお釣りの受け渡しもトレーで行われるようになり、苦労しています。 視力に障害がある太田さんを助けているのは嗅覚です。
太田佐千枝さん:「目印でもあり、確認の場所。間違っている道行っちゃったかなとか。でも、いつもの花屋さんのにおいがするとか、うなぎ屋さんのにおいするといったら、間違いなく通ってたなと」
しかし、マスクをしているため、その嗅覚が鈍っています。 最近は、外出した際、街中で手助けされることが少なくなりました。ガイドヘルパーは、より大事な存在となっていますが、感染への懸念から、稼働するヘルパーの人数が減ったといいます。
太田佐千枝さん:「腕をつかませてもらうっていうのが、もう本当に密ですからね。でも、そうしてもらわないと歩けないので。ガイドさんがいてくれて、初めてのところ行ったりとか、お出掛けができるわけだから、本当に厳しい話ですね」 積極的に障害者の雇用を行っている一般社団法人『ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ』の調査によりますと、視覚障害者のうち6割以上の人が、新型コロナウイルスについて「生活面での不便を感じる」と答えていました。さらに「経済的状況や雇用面などに不安がある」と答えた人も6割以上います。 東京都内で、マッサージ師として働く河野孝志さん(55)は、視力が全くありません。はりを行う治療院を経営していますが、感染拡大とともに利用者は減り、5月には売り上げが半分になりました。
コウノ治療院鍼灸(しんきゅう)マッサージ師・河野孝志さん:「マッサージや鍼(はり)の治療は、濃厚接触しなければできないもの。皆さん、大丈夫かなという不安はある」
初めての場所に外出することが難しいため、出張治療ができないといいます。
コウノ治療院鍼灸(しんきゅう)マッサージ師・河野孝志さん:「(制度上)ガイドヘルパーは仕事として、金銭目的の活動には利用できない。仕事上でも利用できるようになってくれればと感じている」 ヘルパー会社の社長は、視覚障害がある人の声をこう伝えます。
otomo・鈴木貴達社長:「レジで並ぶ時に、足元にソーシャルディスタンスを保つためのステッカーが貼ってあるとか、そういう変化に視覚障害者は気付くことができない。触ることが目の代わり、見る代わりになることあるが、コロナ禍においては商品をべたべた触って確かめるのははばかられる。視覚障害者はソーシャルディスタンスを保って生活するのは難しいので、街で見かけたら、ちょっと気にかけてほしいし、見守りをして危ない時は助けてほしいと思います」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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