「お金返すためにお金借りている状態」「返済日には、ぐるぐるぐるぐる消費者金融を回る」。関西を拠点に活動する講談師、玉田玉秀斎(ぎょくしゅうさい)さん(45)は、ホームレスの経験者に取材を重ね、その人生を語ってきた。活動を通して感じたのは、「ほかの選択があったのかも?と思う人もいれば、どうすることもできない状況の人もいる」ということだ。
「その男性は、高校卒業して就職することになります。写真の現像商。いまはスマホの時代ですが昔は写真機……。いま、写真機って言わないそうですね」
10月7日夜、大阪市中央区のカフェ「周(あまね)」で開かれた講談会。玉田さんは約40分間、テンポのいい一人語りを披露した。参加者約10人が時折静かな笑い声を上げながら、聴き入った。
この記事のポイントは?→玉田さんが活動をひらめいたきっかけは、あるNPOが作るビールのキャッチフレーズでした。 注目したのが雑誌「ビッグイシュー」。 雑誌の販売者と講談部も作ってしまったそうです。
講談とは、張り扇(おうぎ)などで釈台をたたきながら歴史物語や人物伝を語る伝統話芸だ。玉田さんは京都発祥の玉田家の4代目を務める。
きっかけは英語のフレーズ
路上生活の経験者への取材をもとに講談作りを始めたのは3年前のこと。漠然と社会貢献を考えていたとき、百貨店のフェアで、米国のNPOが販売するビールのキャッチフレーズを知った。
「Drink Beer Do Good(ビールを飲んで、良いことをしよう)」。楽しんだお金が、公益活動に使われる。その気軽さに興味を持った。
すぐに「Watch Kod…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル