新型コロナウイルスの感染拡大の中、社員を元気づけようと、4月中旬に全社員に「応援金」3万円を給付した建築会社がある。
「応援金」を給付したのは、東京都中野区の「ヤシマ工業」。応援金を振り込むことを知らせる通知には、小里洋行社長からの「事態が収束したときに全員で本社に集まれることを楽しみにしています」というエールが添えられた。
同社は、マンションの大規模修繕などを手がけ、約80人の社員の4割ほどがコロナ禍の今も現場で作業に従事する。在宅勤務の社員も、休校中の子どもや高齢の親と一緒で、先行きに不安を抱える。
外出自粛要請の下では、平日の日中にも住民がいることが増え、現場作業の騒音や工期に従来以上に気をつかう。一方で、現場で集団感染が発生することは防がなければならない。いつも以上に緊張感は増している。
社員の一人は、「世界規模の大きな混乱の中で、周囲をおもんぱかることを忘れてしまいそうになる。少しでも前向きな気持ちになれるようという社長の計らいは身にしみた」と話した。
「日頃大したことはしてやれてないですから。踏ん張ってくれている社員に、心の健康を損なわずにいてほしい」。小里社長は応援金に込めた思いをそう話す。
応援金支給の前には社員にマスクを配った。家族数に応じて社員1人あたり50~150枚。グループ会社が手を尽くして集めたという。また「社員の前にまずお客がビジネスの基本」と、発注先にも、のべ1万枚を送ったという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル