堀之内健史
消費税の「インボイス制度」に登録した個人事業主の名前の一覧が国税庁のウェブサイトから取得できる状態になっていた問題で、同庁は26日、個人名のデータを削除した形での掲載に切り替えた。声優や作家など本名を明かさずに仕事をしている人たちから「身バレにつながる」と批判する声があがっていた。
インボイスとは請求書や領収書のことで、来年10月から、消費税の税額控除に必要となる。制度を利用するには事前登録が必要で、ウェブサイトでは昨年11月から、登録した個人事業主の名前や登録番号などを一つにまとめたファイルを掲載してきた。誰でもダウンロードでき、国税庁は「個人事業主が制度に登録しているか、取引先が確認できるようにするために必要な措置だ」と説明してきた。
26日に新たに掲載したファイルには、インボイスの登録番号(13桁)、登録日、登録の失効・取り消し日の3種類を掲載している。これまでは個人事業主が希望すれば、事務所のほか、ペンネームや芸名などの屋号も掲載できたが、できないようにした。
サイト内には、登録番号を入力すれば個人事業主の名前が検索できる機能があるため、ファイルから個人名を削除しても制度の運営には問題がないという。
国税庁によると、現在掲載されているのは8月末までにインボイス制度に登録した個人事業主の約20万件。制度開始時から登録を受けるには、原則来年3月までに申請する必要があるといい、今後も掲載件数は増えていく見通しだ。(堀之内健史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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