「近藤日和、どんちゃんでーす」
「清水葉月。あだなは、はーちゃんです」
宮城県石巻市で一緒に暮らす25歳の近藤さんと29歳の清水さんは毎月、ユーチューブで動画をライブ配信している。
番組名は「ゆるくフラットに震災について語る会」で、通称「ゆるフラ」。2人のトークに寄せられる視聴者のコメントを拾いつつ、ときにはお菓子をつまみながら、おしゃべりを繰り広げる。
5月11日のテーマは「震災と娯楽」だった。
避難所では硬い床で寝ており整体師が来てくれたらありがたい、避難所に花などの彩りがあるとうれしい――。そんなやりとりから、話題は避難所での支援のあり方に移っていく。
「みんな頑張り続けちゃう。考えたくないんだよね、目の前の現実」
「衣食住ってすごい大事。でもそれ以外のことも言っていい」
「被災者だから楽しんじゃいけないみたいな。そんなことない」
「ゆるく」と言いつつ、会話は熱を帯びていった。
話せない体験「誰の『地雷』を踏むか…」
12年前、近藤さんは市立門…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル