勤務する産業医科大(北九州市八幡西区)で誹謗(ひぼう)中傷の告発に基づき不当な懲戒処分を受け、うつ病を発症したとして、同大医学部の50代男性教授が同大と学校法人理事長、准教授ら計6人を相手に、懲戒処分の無効確認と約1100万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴したことが27日、分かった。提訴は8月30日付。教授は後輩から「逆パワハラ」を受けたと訴え、休職している。
原告側の代理人弁護士は「教授がハラスメント被害を訴えるケースは珍しい」としている。
訴状などによると、超過勤務の報告書を巡って昨年7月13日、教授が部下の残業申告を勘違いで消去し、自分がした当日の残業に書き換えるミスがあった。教授は部下に謝罪し、残業代も適切に支払われたが、別の准教授が「(教授は)時間外勤務を盗んでいる」などと大学に告発。昨年12月に大学の懲戒委員会から、職場規律を乱したなどとして、教授は減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けた。
以降、准教授ら後輩の「逆パワハラ」が強まった。処分に関する説明会では、後輩から「公文書偽造だ」「信頼回復はしない」と糾弾された。別の場では医局員の前で謝罪を強要されたり、後輩医師が業務命令に従わなかったりすることもあった。懲戒処分が出る前には、土下座に追い込まれたこともあったという。
同大病院長からは、他の病院でのアルバイトを自粛するよう指示されたといい、教授は「懲戒委は結論ありきで、処分理由も不明確。私を退職に追い込もうとして、上司や部下が嫌がらせを続けている」と主張している。教授は3月下旬から休職している。
産業医科大は「この件に関して、コメントは差し控えたい」としている。 (山下真)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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