「アニメで見たおいしそうな野菜が食べたい」「コロナ禍のなか、子どもと外で体を動かしたい」。平日は会社勤めをしながら、週末は畑で農作業をする「週末農家」が関西で広がっている。農の楽しさをSNSなどで発信し、仲間とつながる楽しさもある。一方、副業先として農業を選ぶ企業もあり、農の担い手が多様化している。
8月22日、大阪府八尾市の畑。ハウスの中ではナスが実をつけ、ハウスの横にはサツマイモや里芋の葉が茂っていた。育てているのは、大阪市の会社員、渡辺博文さん(27)。昨年春から週末に畑に通って作業をしている。
愛知県出身、学生時代はラグビー、社会人になってサーフィンに打ち込んだスポーツマンだが、農業には縁がなかった。広告会社の営業職で、転勤で大阪へ。農業に関心を持ったきっかけは、農業高校を舞台にしたアニメに登場した、新鮮な野菜を食べるシーンだった。「取れたての野菜が食べたい」。農家の知り合いは全くいなかったが、即、行動に移した。インスタグラムで大阪の農家を検索し、メッセージを送った。そこで、「とりあえず話聞こうか」と興味を持ってくれたのが、大阪府東大阪市の花農家、清水信行さん(44)。渡辺さんは直接会いに行き、八尾市の清水さんの畑で農業を始めた。
最初に育てたのは、生で食べ…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り:2081文字/全文:2626文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル