「一票の格差」が最大3・03倍だった7月の参院選は投票価値の平等を求める憲法に反するとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、全16件の高裁判決が15日に出そろった。「違憲」が1件、「違憲状態」が8件、「合憲」は7件だった。最大格差が3・00倍だった前回2019年の参院選に対する高裁判決は14件が合憲、2件が違憲状態だったのに比べ、厳しい判断が大幅に増えた。
一連の訴訟で最後となった仙台高裁秋田支部は15日、「国会の格差是正の姿勢は著しく後退しており、さらに投票価値の不均衡が拡大しかねない」と述べ、違憲状態と判断した。
一票の格差は、議員定数1あたりの有権者数が選挙区ごとに違うことで投票価値に差が生じる問題。今回の定数1あたりの有権者数は、最少の福井選挙区が約31万7千人で、最多の神奈川選挙区は約96万2千人だった。格差は3・03倍で、神奈川の人の票は福井に比べ「0・33票」の価値しかない計算になる。
全有権者の2割が「0.33票」
16件のうち唯一、違憲とし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル