旭川医科大学(北海道旭川市)の吉田晃敏学長が、新型コロナ患者の受け入れをめぐる不適切発言や滝川市立病院からの高額報酬などを指摘されている問題で、同大の学長選考会議は8日、この問題をめぐる議事要旨を大学ホームページ(HP)で公表した。吉田学長の解任の当否を調査することが決まった経緯が明らかになった。
同会議は一連の問題を受け、1月から書面審議2回を含む計5回が開かれ、4回目までの議事要旨がHPに掲載された。2月1日の会議では、学長選考会議の下に「調査委員会(仮称)」を設けることが提案され、その構成員について意見が交わされた。
同19日には、新型コロナ患者の受け入れをめぐり吉田学長と対立した付属病院の古川博之・前院長の解任処分にかかわったとして、松野丈夫副学長ら大学役員会の理事4人が同会議の委員を辞めることが了承された。同会議の議長だった松野副学長の退任により、代わりに西川祐司副学長が選ばれた。
同会議は吉田学長の不適切発言について大学側が文部科学省に回答した内容などを検討した結果、「吉田学長の適格性等に疑義が生じたため、調査を行う必要がある」と判断したという。
3月4日の5回目の会議では、学内の教授らでつくる「旭川医科大学の正常化を求める会」から出された吉田学長の解任請求が、必要な要件を満たしたことが確認された。大学関係者によると、これを受けて弁護士らによる第三者委員会の設置が決まったという。
また、学内の教授らは3月1日、吉田学長の職務停止を求めた。しかし、同会議は職務停止については検討していないという。同大は朝日新聞の取材に、「今後の審査の影響をかんがみ、一切答えられない」としている。(井上潜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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