TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月27日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ファッションブランド経営者のハヤカワ五味さんが“選択的夫婦別姓”について見解を述べました。
◆止まらない出生率低下
国民民主党の玉木雄一郎代表は1月22日の衆院代表質問で、選択的夫婦別姓の導入を訴えた際、議員席から「だったら結婚しなくていい」というヤジがあったと明らかにしました。玉木氏は記者団に「ヤジは自民党の女性議員からだった」と語り、「非常にショックだった。こういう自民党に任せていたから少子化が止まらなかった」と批判。
また、1月24日には野党の有志議員6人が衆議院の大島理森議長宛に発言者の特定と撤回を促すよう申し入れをしています。
このヤジに衝撃を受けたというハヤカワさんは、「だったら結婚しないよ、と逆に思う」と言い、周囲には「名前が変わることに抵抗がある人」、さらには「仕事の実績に響くという理由で結婚しない人もいる」と明かします。
2019年の出生率は90万人を下回り、「ついに死亡数などのほうが上回り、これからどうしていくんだ」と危惧。さらに、これまでは団塊ジュニア世代の社会進出していた女性が40歳以降に出産し、「ある意味、出生数を下支えしていた」ものの、その世代が妊娠・出産が難しい年齢に。「(出生率が)減っていくのは間違いない。今までとは比べものにならないくらいの人口減にさしかかっていくと思う」と不安を口にします。
選択的夫婦別姓を反対する理由の1つに、それが「カルチャーや伝統」という意見があるそう。しかし、ハヤカワさんは「もともと(日本人は)伝統的に姓がなかった」と言い、「夫婦同姓が定められたのは明治民法以降の1898年。100年ちょっとくらいの話で、それを伝統として、これによってしか家族の形が保てないというのはどうなんだ」と指摘します。
昨年、マイナンバーカードに旧姓を併記するようになりましたが、その整備には約100億円の補整予算が充てられたそう。しかし、「それで何ができるのか、そこまで多くなかったりする」とハヤカワさん。また、マイナンバーカード自体は「結局、戸籍的な仕組みの部分は変わらない」と言い、さらには「ここに予算を割くのであれば、同姓も別姓も選べるような仕組みにしていくことに予算が割けるのではないかという違和感がすごくある」と持論を述べます。
また、夫婦別姓の手続きの面において「女性ばかり面倒という話が議論にあがりやすい」とハヤカワさんは言いつつも、それ以上に問題があると示唆。それは、名前が変わることで「(キャリアが)ある意味でリセットに近いことをされてしまうこと」。面倒という話で済ませるのではなく、職業などさまざまな状況を考慮した上で夫婦別姓が選べるようになることを望んでいました。
ちなみにハヤカワさんの本名・名字はかなり珍しいらしく、「私が最後の代。私が継がないとほぼ絶滅。そういったパターンもあるから選択的に選べるのが自然」とも。
作家の田中康夫さんは、韓国や中国は夫婦それぞれ名字が違うだけに、「向こうのほうが先進的だったって、すごい話」と言います。一方、キャスターの宮瀬茉祐子は多様性を唱え、個人が確立し、夫婦共働きで家庭を築いていく風潮のなか、「(夫か妻か)どちらかに寄せるという考えは本当に違和感でしかない。結局どちらかのものというような考え方になってしまう」と不満をもらしていました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース