岡田真実 柳川迅
被爆者を対象としているがん検診や手当などの援護措置を、子どもの「被爆2世」も対象にすべきだとして、長崎の被爆2世ら28人が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、福岡高裁であった。判決は、「国の責任を認めない」とした一審・長崎地裁の判断を維持し、控訴を棄却した。
「遺伝的影響を肯定する研究結果もある」としながら、「否定的な研究発表が複数あり、遺伝的影響は証明されていない」とした判決。健康不安を訴えてきた被爆2世たちからは憤りの声が上がった。
「2世で白血病やがんで亡くなった人がいっぱいいるじゃないですか」。判決後の報告集会で、原告の箕田秀美さん(66)は声を上げた。両親が被爆者の被爆2世。娘は5歳の時、血液中のたんぱく質が尿中に流出する「ネフローゼ症候群」を発症。原爆症として認定される病気だ。原因はわからず、入院を繰り返した。「次世代にも遺伝的影響があると考えてしまうのは当然です」
裁判所には、原告の一人で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル