死者10万人超に上った1923年9月1日の関東大震災から100年目へ。デマの拡散により虐殺が起きたあの震災の教訓は、現代にどう生かせるのか。
「外国人窃盗団がいる」「暴動はすでに起きている」。流言が駆け巡ったのは、99年前の被災地だけではない。2011年3月11日からまもなく、そんな流言が口コミやインターネットで広がった。
22日、宮城県警はホームページに「県民の皆様へ」と記した文書を掲載する。県警把握の犯罪件数を前年同期の件数と並べ、治安は悪化していないことを示す内容だった。
当時の本部長、竹内直人さん(64)は「さほど悪化していたわけではない治安が、実際に悪化していくことを懸念した」という。
流言を聞き、自宅が盗難に遭わないか心配になった被災者が避難所を出てしまう。それを見聞きした人が自分も戻った方が良いかと心配になる。疑心暗鬼の連鎖から、トラブルや事件に発展する事態は避けたかった。普段の2・6倍、1日約1100件の通報があったが、思い込みや伝聞に基づく内容が目立っていた。
25日には仙台市内の避難所に出向き、「流言飛語に惑わされず、落ち着いて行動して下さい」と呼びかけた。
東日本大震災時の「うわさ」について調べた研究がある。郭基煥・東北学院大教授(共生社会論)が16年に仙台市と東京都新宿区の住民にアンケートを実施(有効回答944票)。このうち、50%が外国人犯罪にまつわるうわさを見聞きし、その86%が、うわさの内容を信じたと回答した。
信じた人の割合は、性別・年齢・学歴・収入、外国人との交流歴や被災の有無、いずれとも関係なかった。郭教授は「流言は『気をつけてね』という善意で拡散される。誰でも信じてしまうと考えるべきだ」と指摘する。
サンフランシスコ地震でも…繰り返される流言
うわさの内容で最も多いのは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment