遠藤美波
自宅マンションに高齢女性の遺体を放置したとして、警視庁は、東京都台東区の無職の男(54)を死体遺棄の疑いで逮捕し、18日発表した。男は、遺体は同居する自身の母親(80)だと説明した上で、「(母親が死んだ)現実を見るのが怖かった」と供述しているという。
下谷署によると、今月14日、住宅ローンの不払いに伴う強制退去の手続きのために男の自宅マンションを訪れた東京地裁民事執行センターの職員がミイラ化した遺体を見つけ、110番通報。男は当時不在で連絡が取れなくなっており、16日にJR上野駅周辺にいるところを警察官が確保した。
男は「母親にご飯を拒否され、あげるのをやめたら生活音がしなくなり、死臭がするようになった」などと説明。普段は自宅から逃れて上野や秋葉原の個室ビデオ店で生活していたといい、「おかしな生活をしているとわかっていた。逮捕してくれてありがとうございます」とも話しているという。
司法解剖の結果、遺体は死後3カ月~1年ほどが経過していることが判明した。署は、男が母親が死亡したと知りながらその年金を受給し続けたとする詐欺容疑でも調べる方針。(遠藤美波)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル